組分けテストの成績で合否シミュレーションをやってみたら、意外な結果に!?

データー編

ほぼ毎月ある組分けテストの結果をオンライン上で見られることは知っているかと思いますが、「合否シミュレーション」という機能があるのはご存じでしょうか。

こちらの四谷大塚の公式サイトから父母用ログインで合否シミュレーションをすることができます。※詳しい見方は後述

小4から続く過去の組分けテストの偏差値が53~62だったので、それぞれ小刻みで合否シミュレーションをしてみました。※男子校中心です。

合否シミュレーションその前に

こちらは四谷大塚偏差値一覧のサイトです。

中学受験を目指している親御さんなら言うまでもありませんが、こちらのAライン80偏差値とは合格率80%の偏差値で、Cライン50偏差値というのは合格率50%の偏差値という意味です。ということは、その該当する偏差値と等しければ80%あるいは50%の判定になるということです。

しかし、判定するテストは小4あるいは小5の時点での組分けテスト。現時点で上記のラインに届いてなくても今後の伸びしろで合格率が上がっていくはず・・・と考えたいのが親御さんです。例えば、小4の組分けテストで偏差値62でした。この数値でそのまま合否判定をしたら開成(合格率50%Cラインで偏差値67)の合格判定はEなど厳しい結果になるでしょう。しかし、伸びしろのある小4の段階で偏差値62からどんどん伸ばしていったら・・・夢ふくらみますね。実際にそういう生徒がいると思います。

何が言いたいかと言うと、この小4の時点で偏差値62だった生徒の小6での開成合格率はどのくらいだったのか、果たしてそういった数値になっているのかを検証してみたいのです。

合格判定の評価

さて、一般的に合格判定でもちいられる評価が以下です。

A:80%以上
B:80%~60%
C:50%
D:40%~20%
E:20%以下

これを見て「C判定かーだめだなー諦めるかあー」と思いますか?合格率50%って2回うけたら1回は合格する確率って結構高くありません?今風にいうとワンチャンあり。そして、A判定の人は通常はもっと上の偏差値帯の中学を目指すのが普通です。その層が抜けたら合格率もっと高くなりますよね。なのでB判定やC判定はわりといける判定かと思います。




さっそく合否シミュレーションをやってみました

表の記載の意味

「学校名」:基本的には2/1入試など1回目の2024年入試の偏差値を基準にしている。
「Aライ」:Aライン80偏差値
「Cライ」:Cライン50偏差値
「偏差値」:過去の組分けテストで取った4教科合計の偏差値。小4(2023年)と小5(2024年)の成績
「判定」:合否シミュレーションで出た判定

偏差値53.3の場合

攻玉社(Aライ偏差値56。以下AorC+数値として記す)、巣鴨(A55)に届いていないにもかかわらずA判定。この数値だけ見ると偏差値プラス3まではA判定です。逗子開成(C54)のところ53.3でC判定なのはなんとなく納得。攻玉社と世田谷学園で逆転現象が起きているが理由はよくわからない。芝(A60)あたりからD判定と厳しくなってくる。慶應普通部(A64、C61)はE判定で、海城(A64、C60 )はD判定とCライ基準の差で判定結果が微妙にかわってくることがわかる。Aライ偏差値が10以上だとE判定なのもこの結果からなんとなくわかった。

偏差値55.5の場合

中大附属(A57)までA判定。前の時に述べた偏差値プラス3までA判定説だが、逗子開成(A58)がB判定なので、偏差値プラス2ぐらいまではAを判定してくれるということか。本郷(C55)と広尾学園(C59)は同じC判定。ここでもAライ偏差値10以上の早稲田(A66)以上からE判定。

偏差値57.3の場合

前項ででた偏差値プラス2までA判定説だが、本郷(A58)がB判定というところから必ずしもそうではない結果に。またもう一つの判定基準C判定は海城(C60)と偏差値3近く上なのにこの判定。基本的には甘めの判定と言えるでしょう。ここでもAライ偏差値10以上の開成(A71)はE判定。

偏差値58.4の場合

よく言う偏差値58の壁ですが、これを超えると偏差値65まではB判定以上となりました。本当にそんな確率高いのか?Cライ偏差値を見てみると、芝(A60、C57)で間の58なのでB判定が妥当かというところになるが、ここでの判定はA。また、広尾学園(A62、C59)とCライ偏差値も超えていないのに判定はA。冒頭で述べたように、小4や小5の段階でこの偏差値だとその後伸びて受かるのか、ただ単に盛っているのか疑問が出てきます。Aライ偏差値10以上の開成(A71)はD判定と初めてE判定以外がでてきました。

偏差値59.2の場合

偏差値59になってくると5プラスの慶應普通部(A64)までA判定。これまではプラス3か2くらいだったのに。Cライ偏差値も5プラスまでの渋渋(C64)や麻布(C62)もC判定となった。麻布は意外と偏差値62でも合格率50%なんですね。一方、開成は偏差値67でも合格率50%。同じ御三家でもだいぶ開きがある。

偏差値60.7の場合

さあ、大台の偏差値60を超えてきました。結果はというと59の時とあまりかわりません。ここで、59のときはD判定が開成だけだったのに、60になったらなんで増えてんだ!と言うことですが、59のときは小4の組分け偏差値、この60のときは小5の組分け偏差値で、判定する基準が年度によってかわるということがわかりました。

偏差値61.0の場合

さあ偏差値61.0です。ついに全てがC判定以上となりました。つまり2回受ければ1回は合格するということ。本当か?偏差値61で開成2回に1回受かるの??ここでも5プラスの早稲田(A66)まではA判定。しかし、同じA66の麻布はC判定。この偏差値も小4の時のものなのでこの年の麻布はもっとAライン偏差値が高かったのでしょう。しかし、偏差値61くらいでこんなにA判定がならぶと気分いいですね。

偏差値62.6の場合

偏差値62の場合も早稲田(A66)までA判定。渋渋や麻布はB判定。開成は依然としてC判定ですが、Cライ偏差値67には5程度足りてません。

過去の組分けテストでこれ以上の偏差値を取ったことがないのでここでシミュレーションは終了です。




合否シミュレーションの結果

・小4、小5の組分けの偏差値でのシミュレーションの判定は「甘め」
・小6になると表通りの判定になるのかは不明
・小4あるいは小5当時の偏差値データを実際の合否の判定ロジックに盛り込んでいるかは不明
(たぶん盛り込んでない)
・さすがにAライ偏差値が10以上離れているとほぼ「E判定」
・しかしAライ偏差値5程度の差なら「A判定」

そもそもこの「A」だとかの判定も実は何を意味しているのかは塾側の記載は見当たりません。なので、ここで言う合格率80%なのかも実際は不明です。しかし、あるメッセージがこめられていると感じました。

「Aライ偏差値5程度の差なら、狙える!
(まだ小4、小5だし。でも実際に受かるかどうかは知らんけど)

塾も営利企業ですから、その気にさせて難関中学に入ってもらえれば、塾側も親子側も万々歳なわけです。この段階で、偏差値5程度足りないから志望校を諦める人っていないですよね。なので「A」という文字を出して気分よく勉強してもらったほうがいいわけですね。

と、いうことがわかりました。

(参考)合否シミュレーションの仕方

中学受験塾|四谷大塚ドットコム
中学受験なら四谷大塚ドットコム。中学受験のパイオニア四谷大塚が、志望校合格に向けてお子さまの学力を飛躍的に伸ばします。最新の中学受験情報や全国の中学入試の過去問なども豊富に掲載。

こちらの四谷大塚の公式サイトから父母用ログイン
メニューの「成績管理」ボタンを押します。

こちらの「合否シミュレーション」をクリック

シミュレーションをする組分けテストを選びます

「入試検索」をクリックします。

学校名を入れると候補が出てくるので該当する学校をクリックします。

入試コードが自動記入されているので「追加」をクリックします。

すると判定結果が表示されます。

同じことを繰り返して学校を連続して表示できます。

以上です。