【2023年版】入試結果偏差値表が公開。上がった学校、下がった学校は?

データー編

3月末に2023年の入試の結果を反映した日能研の偏差値表が公開された。前年2022年の入試結果偏差値表と比較して、2023年は偏差値が上がった、あるいは下がったなど各中学がどのように変動したかを調べてみた。※調べたのは男子の表のみ。一部偏差値の記載がない学校もある

2023年入試結果偏差値表

こちらは2023年度入試の結果を反映したR4偏差値表
※R4偏差値:合格ライン80%の偏差値

(更新)2024年版の分析はこちら↓

偏差値が上がった中学

偏差値が2以上あがった主だった中学をピックアップしてみる。

広尾学園 ついに偏差値65!いよいよ超難関校入りなのか

広尾①(2/1午前) 62→65 (+3)
広尾②(2/1午後) 63→66 (+3)
広尾②インSG(2/1午後) 64→66 (+2)
広尾医進(2/2午後) 67→67(+0)
広尾③(2/5午前) 61→63 (+2)
広尾③インSG(2/5午前) 62→64 (+2)

海外大学へ強いというイメージの広尾学園だが、2/1午前入試がついに偏差値65の大台に乗った。また他の回の入試もほぼすべて前年より上回った。第一志望の受験生が多く2/1午前に受験するのでこの回の偏差値をその学校の基準値とする向きが強い。他の日や午後受験は2/1午前入試よりも高めに偏差値が出る傾向にある。

広尾①(2/1午前)の偏差値推移8年間

2016年~2023年まで8年間の広尾①(2/1午前)の偏差値の推移をみてみる。

2016年 広尾①(2/1午前) 54
2017年 広尾①(2/1午前) 58
2018年 広尾①(2/1午前) 60
2019年 広尾①(2/1午前) 61
2020年 広尾①(2/1午前) 61
2021年 広尾①(2/1午前) 61
2022年 広尾①(2/1午前) 62
2023年 広尾①(2/1午前) 65

なんと2016年の時は偏差値54。今の受験生からしてみればなんと羨ましいことだろうか。2018年には偏差値60の乗せてから60前半を推移し、この2023年についに偏差値65である。偏差値65と同列に位置するのは海城①、早稲田①、慶應普通部といった名だたる超難関校。ついに広尾学園も超難関校入りしたのか。

受験者数、実質倍率はどうか?

2/1午前受験者数 合格者数 実質倍率 偏差値
2021年 偏差値61
広尾① 98人 31人 3.16倍
2022年 偏差値62
広尾① 79人 33人 2.39倍
2023年 偏差値65
広尾① 121人 31人 3.90倍
※男子だけのデータ

たしかに2023年は受験者数が増えて実質倍率も増えた。倍率増による偏差値上昇だったのか。

四谷大塚:合不合判定模試ではどうか

日能研の全国公開模試と比較的母集団や規模などが似ている四谷大塚の合不合判定模試での偏差値も調べてみた。

2023年度  左:日能研 右:四谷大塚
広尾①(2/1午前) 65 :59
広尾②(2/1午後) 66 :64
広尾②インSG(2/1午後) 66:65
広尾医進(2/2午後) 67:65
広尾③(2/5午前) 63:61
広尾③インSG(2/5午前) 64:64

なんと、2/1入試広尾①では偏差値6の差があり、四谷大塚では偏差値59だった。全体的に四谷大塚の方が辛口な偏差値であるということがわかる。ちなみに前年の2022年度でも四谷大塚の偏差値は59だった。日能研だけ22年度から23年度にかけて難易度が爆上がりしたことになる。

同列の他校の偏差値比較

2023年度  左:日能研 右:四谷大塚
海城①   65:64
早稲田①  65:64
慶應普通部 65:63
広尾①   65:59

日能研で偏差値65だった他校が四谷大塚でどうだったかの比較。概ね四谷大塚でも偏差値1~2くらいの差がしかないが、広尾①だけ偏差値6の開きがある。

塾別の合格者数は

2023年度  広尾学園合格者数

日能研  82名
四谷大塚 116名

30名の開きはあるが、そこまで偏差値の開きがでるほどの数ではない。(例えば、合格者10名とか極端に差がついていると偏差値が難化する傾向にある)

結論は偏差値60前後が妥当か

広尾学園の2/1午前偏差値は59~60くらいとみるのが妥当だろう。そして第一志望にしてる場合は四谷大塚の模試を受けた方がよい笑。偏差値59なので判定が出やすくなる。逆に日能研だけだと厳しめにでて受験そのものを回避してしまうかもしれないので。いずれにしても難関校であることは間違いない。前年に比べて爆上がりした中学は翌年易化傾向にある。なので2024年度の偏差値はまた62くらいに落ち着くのではなかろうか。

広尾学園小石川 さらに難度上昇

偏差値推移 2021年→22年→23年
広尾小石川①(2/1午前) 49→54 →59(+5)
広尾小石川②(2/1午後) 53→61 →?(?)
広尾小石川③(2/2午後) 53→58→61 (+3)
広尾小石川④(2/3午後) 54→58→?(?)
広尾小石川⑤(2/4午後) 55→58→59 (+1)

広尾学園小石川中学は2021年開校。広尾学園の姉妹校として大いに注目を集めた。初めての入試の2021年度は定員120名のところ3800名超の出願があり、その人気っぷりがうかがわれた。2/1は午前試験も午後試験も受験でき、2/2~2/4まですべてが午後受験であるという併願のしやすさが出願者を集め、高倍率、高偏差値化につながったと考えられる。2021年度出願者3801人→2022年度出願者4047人と2022年度はさらに出願者が増え、2022年当時偏差値ももっとも上がった中学だった。さて、2023年度はどうなったか。

広尾学園小石川 総出願者
2021年度 3801人
2022年度 4047人
2023年度 2911人(前年比71.9%)

2年目に出願数4000人超だったがなんと大幅減。それでも3000人近くの出願でやはり人気は堅調だ。さて、偏差値の方だが、前述した通り、ほぼどの日程の入試も軒並み偏差値が上がっている。出願者数が下がれば難易度が下がるはずだがなぜか。

高偏差値のからくりは国際生入試にあり?

こちらが学校が公表している入試結果である。

上の段は2月入試の一般受験。全体の定員120名に対して2月は90名の募集枠である。一方下段の11月、12月実施の国際生入試は35名+若干名の定員である。

2023年度 広尾学園小石川中学 入試結果
(2月実施)一般入試 定員90名
出願者数2317人 受験者数1269人 合格者数228人 実質倍率5.57倍

(11,12月)国際入試 定員35名
出願者数594人 受験者数576人 合格者数200人 実質倍率2.88倍

この数字を見て何が言えるのか。あくまでも予想だが、
・定員35名としているが実は11,12月に行われる国際入試で入学する受験生が多い
・そしてこの入試は一般の偏差値表に反映されない
・偏差値表に出てくる2月の一般入試では合格者数を絞って倍率を上げる
・実質倍率が上がれば当然偏差値もあがる
(開成ですら実質倍率が2.84倍。5.57倍もあればそりゃ高くなる)
・偏差値が上がれば難関校ぽく見える
・でも入学者の実態はほとんど国際生である
(国際生の入学者数を知りたいがわからない)

と、このように実態とは離れて見た目の偏差値を上げていることが想像できる。

過去3年間の2/1午前入試はどうか

広尾小石川①(2/1午前) 49→54 →59(+5)

開校から2年間で偏差値10もあがり、59もあれば立派な難関校である。でもそれは本当なのか。

2/1午前受験者数 合格者数 実質倍率 偏差値
2021年
広尾小石川① 113人 47人 2.40倍 49
2022年
広尾小石川① 195人 19人 10.3倍 54
2023年
広尾小石川① 88人 17人 5.18倍 59

まず2021年は開校初めての入試ではどう転ぶかわからないので一般的な倍率の2.40倍で合格者を出した。その結果偏差値49。その翌年22年、ボリュームゾーンの受験生の出願が殺到(113人→195人。前年比172%)。なのにここであえて合格者を絞る(47人→19人。前年比40%)ことで大幅に偏差値をあげて54とした。第一志望者数が一番多い2/1午前入試で倍率10倍超とかは少しやりすぎな感じがある。そして、その翌年23年には偏差値54前後の受験生が受けにきたが、難化に敬遠傾向が高まって受験者数は前年の45%(195人→88人)だが、またまた合格者数をさらに絞って(19人→17人)倍率も5倍超え。偏差値を59に上げた。と、こういうシナリオである。中学受験全体が倍率3倍前後であるところで、穿った見方をすれば5倍や10倍の実質倍率を作りだすのは偏差値操作だろう。(あくまでも予測です)

↓まさに「バブル偏差値」か!?




芝国際中学 別の意味で注目となった学校

2022年度入試でもっとも話題になった中学と言っていい。

詳しくは↑の記事にゆずるとして、芝国際中学は、東京女子学園を改名、共学化して2023年4月にスタート。さあその入試初年度はどうだったのか、とりあえず偏差値を見ていきたい。

2/1午前 芝国際①前 55 予想44
2/1午後 芝国際①後 57 予想45
2/2午後 芝国際②特 57 予想45
2/3午後 芝国際③特 55 予想45
2/5午後 芝国際④特 55 予想45

初年度は上述の広尾小石川以上の偏差値となった。しかし、これももちろんからくりがある。ちなみに予想とあるのは、日能研が模試の併願状況などをみながら予想偏差値を算出している数値。その予想をはるかに上回ったのは以下の理由だ。

絞りすぎの合格者。まさかのゼロも

2/1午前 偏差値 55
受験者数293人 合格者数28人 実質倍率10.5
2/1午後 偏差値 57
受験者数597人 合格者数37人 実質倍率16.1
2/2午後 偏差値 57
受験者数404人 合格者数30人 実質倍率13.5
2/3午後 偏差値 55
受験者数530人 合格者数31人 実質倍率17.1
2/5午後 偏差値 55
受験者数349人 合格者数33人 実質倍率10.6

軒並み10倍超の倍率。日能研の予想偏差値では45程度ということは、そのくらいの持ち偏差値の受験生が多くいたことを示している。しかし、合格者数をこのように絞りまくると偏差値は容易の上がることがこれでよくわかる。さっきの広尾学園小石川とよく似たパターンだが、実はこの芝国際のマーケティング担当者が広尾学園小石川も担当していたという噂もある。

芝国際は、”国際”って名前がつくだけに国際生の募集もしている。

国際11月入試 
受験者数192人 合格者数122人 実質倍率1.57
国際12月入試
受験者数144人 合格者数85人 実質倍率1.69
国際2/1午前入試
受験者数49人 合格者数0人 実質倍率?倍
国際2/1午後入試
受験者数47人 合格者数1人 実質倍率47.0
国際2/2午後入試
受験者数71人 合格者数12人 実質倍率5.92
国際2/3午後入試
受験者数37人 合格者数5人 実質倍率7.40
国際2/5午後入試 
受験者数22人 合格者数4人 実質倍率5.50

あれ?広尾学園小石川と同じ、11月、12月の国際入試は倍率が極端に低い。っていうか2月の合格者数の少なさを考えるとおかしいぐらい合格者を出している。2/1午前入試なんて合格者数0人とかちょっとひどい。午後も1人だし。2/1午前は本命の人が受けにくるはずだが、1人も合格者を出さないなんて、それは炎上してもしょうがない。

同列の他校と比較

2/1午前入試で偏差値55前後の中学というと、

青稜①A 偏差値54
高輪A 偏差値54
巣鴨① 偏差値55
芝浦工大附① 偏差値55
城北① 偏差値56
攻玉社① 偏差値56
都市大等々力①特 偏差値56

こんなところだが、はたして同じレベルにあるかは大いに疑問である。

青稜 若い校長の手腕発揮か

青稜(せいりょう)っていうと、野球の松井秀喜の母校の星稜(せいりょう、石川県)を思い浮かぶ人が多いと思うが、最近、大井町にあるこの共学校の偏差値がじわじわと上がって来ている。(ちなみに静岡には「星陵」、多摩市に「青陵」、「新潟青陵」もあったりする)

2022年 2023年
2/1午前 青稜①A 53→54(+1)
2/1午後 青稜①B 54→56(+2)
2/2午前 青稜②A 55→55(+0)
2/2午後 青稜②B 54→57(+3)

これを見てわかるとおり、2022年から2023年にかけては、ほとんどの入試で偏差値が難化傾向にあった。数年前は偏差値40台だったのだが、気が付けば50後半にまで来たかたちだ。さて、それは、前述の某学校のように合格者数を絞るなど操作したからか、それとも実力なのかを検証したい。

青稜中学ここ8年間の偏差値推移

2/1午前入試
2016年 青稜①A 偏差値46
2017年 青稜①A 偏差値43
2018年 青稜①A 偏差値46
2019年 青稜①A 偏差値48
2020年 青稜①A 偏差値49
2021年 青稜①A 偏差値53
2022年 青稜①A 偏差値53
2023年 青稜①A 偏差値54

と、このように右肩上がりである。2021年に初めて偏差値50超を果たしてからそのまま上昇。ついに偏差値55の手前まできた。たびたび言ってきたように2/1午前入試こそがその学校の基準値であると言えるので、青稜そのものがこのレベルに到達したのだろうか。

年度 受験者数 合格者数 実質倍率 偏差値
2021年 340人 96人 3.54倍 53
2022年 348人 101人 3.45倍 53
2023年 304人 95人 3.20倍 54

さて、こちらは実質倍率の3年間の推移だが、2023年は倍率が下がっている(3.45倍→3.20倍)のに偏差値は53→54と上がっている。これは単純に受験生のレベルがあがったことを意味していると言っていい。

こんな記事もある通り、40代の若い校長による改革もあるが、進学実績もじわじわと上がってきているのか。

青稜中学の進学実績

2016年 生徒数346人
早慶合格数61人(64人)現役合格率17.6%
2017年 生徒数437人
早慶合格数48人(56人)現役合格率11.0%
2018年 生徒数390人
早慶合格数40人(49人)現役合格率10.3%
2019年 生徒数342人
早慶合格数51人(57人)現役合格率14.9%
2020年 生徒数283人
早慶合格数46人(52人)現役合格率16.3%
2021年 生徒数373人
早慶合格数29人(34人)現役合格率7.77%
2022年 生徒数332人
早慶合格数62人(65人)現役合格率19.6%
2023年 生徒数273人
早慶合格数46人(?人)現役合格率16.8%

青稜中学の進学実績を早慶の合算に絞ってみてみた。現役合格率でみるとここ2年間はいずれも15%超とじわりと実績をあげているようだ。東大の合格者数は例年0か1なのであまり参考にならないので割愛。青稜中学は高校からも募集しているので、一概に中学の偏差値と進学実績が相関関係にあるとは言えないが、少なくとも偏差値については上昇傾向にあると言える。

日本学園 今期大注目!明治大の付属入りの影響は?

2023年度入試でもっとも偏差値があがったのは日本学園である。まずは見てみよう。

2/1午前 日本学園① 35→47(+12) 予想40
2/4午前 日本学園② 35→48(+13) 予想41
2/5午前 日本学園③ 35→47(+12) 予想42

日本学園はあまり馴染みがない人が多いと思うが、なんと明治18年創立、OBには吉田茂、横山大観、永井荷風など著名人がおり、昔の名門だったことがうかがわれる。近年は偏差値も低迷し、苦しい状況だったようだ。それが、2023年にきて偏差値が爆上がりした。その理由は以下である。(予想とあるのは日能研による予想偏差値。そうでないものは結果偏差値)

明治大学が以下の発表をした。
・2026年度に日本学園が明治大の系列校になる
・名前は「明治大学付属世田谷中学・高校」
・男女共学化
・明治大へ7割が推薦(受け入れ2029年度)

ってことは、今回2023年度に日本学園中学に入った生徒は「明大世田谷」卒業1期生として明大へ推薦でいける可能性があるということだ。

日本学園の倍率はどう推移したか?

まずは3年間の受験者総数と合格者総数の推移をみてみよう。

2021年
受験者数117 合格者数103 実質倍率1.14
2022年
受験者数203 合格者数122 実質倍率1.66
2023年
受験者数1088 合格者数141 実質倍率7.72

これまで定員割れ、あるいはぎりぎり状態だったのが、受験者数が2023年にかけて203人→1088人(前年比536%)、実質倍率1.66→7.72と超難化してしまった。明大付属効果がすさまじい。

他の明大付属との比較

2023年春
明大明治  偏差値59-62 内部進学率 87.8%
明大中野  偏差値57-57 内部進学率 80.0%
明中八王子 偏差値53-58 内部進学率 89.4%※
日本学園  偏差値47-48 内部進学率 70.0%前後
※2022年春の数字

こちらが各明大付属の内部進学率と偏差値である。おおむね偏差値50後半で内部進学率も8割超である。とくに明大中野八王子A①入試は偏差値53で内部進学率90%近く、かなりお得といえる。そして、今回の入試の日本学園も偏差値47前後で内部進学率70%とのことなので、明大明治②の偏差値62で内部進学率87%からすればかなりお得感がある。これが日本学園に受験者数が殺到した理由だ。

今後もっと難化 来たる「明大世田谷」

明大への内部進学率と結果偏差値を考えるとかなりお得感があることがわかった。次年度は偏差値47にとどまらず52くらいまで上がるのではないか。そして、3年後の2026年度で晴れて「明大世田谷」となったとき、その名称(だいたい「世田谷」とかつくと人気でる)、その立地(最寄り駅が明大前駅!大学との立地の親和性も高すぎる)、そして共学化ということもあり、人気爆上がり、偏差値も爆上がりの予感がする。その昔、明大中野八王子が開校したころの内部進学率は30%もいってなかった。当然ながら偏差値も低かった。しかし、30年たった今やすっかり付属校っぽい内部進学率となっている。(名称も2024年から明治大学付属八王子に。「明治大学付属中野八王子」という、中野なのか八王子なのかよくわからなさがやっと解消される)ということで、2023年度入試で良い意味で注目を集めたのが日本学園だったといえよう。




偏差値が下がった中学

一方、下がってしまった中学である。

早稲田実業 本当に易化したのか

早実(2/1) 65→62 (▼3)

早稲田実業と言えば、かつては男子校で早稲田大学構内のすぐ隣りに位置(つまり現在の早稲田中のすぐ隣)していた。当時は内部進学率8割程度で、ほぼ100%進学の早稲田大学高等学院や早稲田本庄学院と比べるといささか見劣りがすることもあって、偏差値も若干ではあるが下回っていた。しかし、国分寺へ移転、共学化、初等部設置をへて内部進学率もほぼ100%になり、難易度は完全付属の早大学院中等部ををしのぐこともしばしば。日能研の偏差値ではここ近年、早大学院中等部よりも早実の方が偏差値が高かったが、2023年度はなんと偏差値3も易化し、逆転現象が起きた(早大学院62→64)。この年に早実を受験した人は大変ラッキーだったと言える。

志望者数に変化があったのか?

2021年 偏差値64 定員85名
受験者数329名 合格者数102名 実質倍率3.23倍
2022年 偏差値65 定員70
受験者数308名 合格者数86名 実質倍率3.58倍
2023年 偏差値62 定員70名
受験者数292名 合格者数82名 実質倍率3.54倍

早実界隈で大激震があったのは前年の2022年である。男子定員が85名→70名と約2割もカットされたのである。実際に倍率も3.23→3.58へと上がり偏差値も64→65と難化。そして2023年はというと受験者数も倍率もあまり変化がなかったのだが偏差値だけ65→62と下がった。原因は不明。

四谷大塚の偏差値ではどうだったか

2021年 早実 63(64) 学院 64(62)
2022年 早実 63(65) 学院 64(62)
2023年 早実 63(62) 学院 64(64)
※かっこ内は日能研の偏差値

四谷大塚の模試の偏差値では早実は3年間とも63。参考までに早大学院中等部も3年間とも64。日能研では順位が入れ替わっていたが、四谷大塚では安定的に早実よりも学院の方が偏差値が上回っていたようだ。

早稲田実 合格者数 日能研13人 四谷大塚61人
早大学院 合格者数 日能研13人 四谷大塚41人

一方合格者数は大きな差がある。日能研はともに13人である。ちょっと母数が少ないとこのように偏差値が安定しない傾向がでる。ということで、とくにこの年だけ易化したわけではなく安定的な難易度だったといえよう。




偏差値2以上変化があった中学一覧

2/1午前

上がった学校
広尾① 62→65 (+3)
海城① 63→65 (+2)
早大学院 62→64 (+2)
芝① 59→61 (+2)
広尾小石川① 54→59 (+5)
三田国際ISC① 55→58 (+3)
開智日本橋① 53→57 (+4)
青山横英和A 53→56 (+3)
等々力①特選 51→56 (+5)
芝浦工大附① 53→55 (+2)
芝国際①前 55 予想44
高輪A 51→54 (+3)
成蹊① 48→51 (+3)
淑徳S特① 48→50 (+2)
独協① 48→50 (+2)
関東学院A 46→49 (+3)
ドルトン①前 46→48 (+2)
日本学園① 35→47 (+12)
湘南学園A 42→44 (+2)
目黒日大① 40→42 (+2)
佼成①GL 39→41 (+2)
駒込① 37→39 (+2)

下がった学校
早実 65→62 (▼3)
世田谷① 55→53 (▼2)
鎌倉学園① 55→52 (▼3)
帝京大① 55→52 (▼3)
桐蔭①前 52→49 (▼3)
日本大学A① 52→50 (▼2)
公文国際A 53→49 (▼4)
桐光男子① 49→47 (▼2)
日本第二① 46→44 (▼2)

2/1午後

上がった学校
広尾② 64→66 (+2)
広尾②インSG 64→66 (+2)
芝国際①後特 57 予想45
青稜①B 54→56 (+2)
京華①特後 43→47 (+4)
駒込② 42→47 (+5)
淑徳巣鴨スカラ① 44→46 (+2)
聖学院①アド 41→44 ★
日工大駒場② 39→41 (+2)
文教大② 36→40 (+4)
多摩聖丘② 38→40 (+2)

下がった学校
独協② 54→52 (▼2)
日本大学A② 54→51 (▼3)
宝仙理数新4科 44→42 (▼2)

2/2午前

上がった学校
青山学院 57→59 (+2)
城北② 57→59 (+2)
世田谷② 55→59 (+4)
高輪B 52→55 (+2)
桐光男子② 49→51 (+2)
森村② 48→51 (+3)
ドルトン②前 47→50 (+3)
目黒日大③ 41→47 (+6)
駒込③ 40→42 (+2)

下がった学校
明大明治① 62→59 (▼3)
暁星① 57→55 (▼2)
穎明館② 43→40 (▼3)

2/2午後

上がった学校
高輪算数 59→62 (+3)
広尾小石川③ 58→60 (+2)
三田国際ISC③ 55→59 (+4)
芝国際②特 57 予想45
青稜②B 54→57 (+3)
かえつ②特 49→54 (+5)
安田先進④ 49→54 (+5)
日工大駒場④ 40→45 (+5)

下がった学校
なし

2/3午前

上がった学校
都立桜修館 58→60 (+2)
学芸大国際 55→57 (+2)
明中八王子A② 53→55 (+2)
市立川崎 50→53 (+3)
日大豊山③ 48→50 (+2)
湘南学園C 42→45 (+3)

下がった学校
都立武蔵 64→61 (▼3)
都立立川 56→54 (▼2)
都立藤 54→50 (▼4)
国大横浜 50→48 (▼2)
関東学院C 50→47 (▼3)
日大第二② 47→45 (▼2)
日大第三③ 47→43 (▼4)

2/3午後

上がった学校
等々力②特選 56→59 (+3)
開智日本橋③ 56→58 (+2)
淑徳S特② 51→53 (+2)
芝国際③特 55 予想45

下がった学校
国学院久我山ST② 58→56 (▼2)

2/4午前

上がった学校
神奈川大③ 57→59 (+2)
鎌倉学園③ 54→57 (+3)
東洋大京北④ 46→48 (+2)
日本学園② 35→48 (+13)

下がった学校
世田谷③ 59→57 (▼2)

2/4午後

上がった学校
ドルトン③ 46→50 (+4)

下がった学校
なし

2/5以降

上がった学校
広尾③インSG 62→64 (+4)
広尾③ 61→63 (+4)
芝国際④ 55 ★予想45
日本学園③ 35→47 (+12)

下がった学校
日本大学C 52→50 (▼2)